先週の木曜日、多くの聴衆から厳しい批判を受けました。その中で、あなたは経済的な観点から、私は法的・憲法的な観点から、それぞれ厳しく批判されましたね。あなたは大統領が設定した関税について明確に議論しましたが、これらの関税が違法で違憲であり、経済的にも誤りだというだけでなく、それが地政学にどんな影響を与えるかについても話し合いました。
まず、世界中の人々が3日間で10兆ドルもの時価総額が消えたことを面白がっているわけではありません。また、新たな経済不況に突入し、数十年ぶりに経済が予測不可能な状況になっていることを喜んでいるわけでもありません。
中国は「ノー」と言っていますし、トランプ大統領が「関税率を50％からさらに上げて100％以上にしよう」と脅すようなことも受け入れるつもりはないでしょう。そしてどうやら、私たちが話している間にもアメリカはそれを進めると言っているようです。
詳細な報告はまだ見ていませんので、それが事実かどうかは分かりません。しかし、大統領令によって世界のシステムがわずか3日以内に覆されました。
この一連の動きは、米国大統領として与えられた権限の下で緊急事態を宣言するところから始まっています。しかしこれは、民主主義国家としてのアメリカの運営方法ではありません。これは民主主義の劣化そのものです。こんな形で国が運営されていることは恥ずべきことであり、その影響は世界全体に及んでいます。
今や世界中の国々が必死になって状況を理解しようとしています。「私たちは何をすれば大統領を喜ばせられるだろう？」と考え、一部の国々はその方向に動いています。一方で、「一人の人間が自己宣言によって何十年もかけて築かれたシステムを破壊することは絶対に許されない」と考える国もあります。
ほとんどの国々は、「貿易相手国は誰になるのか？来週には何が起こるのか？関税が課され始めたらどうなるのか？」と自問しています。その結果、多くの国々が「アメリカによる生活基盤への破壊行為に対抗するためには協力する必要がある」という考えに至っていると思います。
欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長と中国首相との電話会談では、トランプ氏の決定による世界経済への壊滅的な影響をこれ以上拡大させないためにも、今すぐ安定について交渉すべきだという意見が出されました。
欧州連合は、この問題を冷静に話し合い、大人として解決しようとしているようです。
また、中国や韓国、日本も関係を穏やかでバランスの取れたものにするための措置を講じています。東南アジア諸国連合（ASEAN）も7億人規模でより緊密な連携について話し合うため会合を開いています。ASEANも、大西洋から来る不安定さへの対応として、中国とのさらなる統合が必要だと認識していると思います。
結局、トランプ氏は議会で議論も審議もされず、法律に基づく投票もなく、アメリカ国内のビジネス界や国民から支持も得られないまま、一人で法令を制定し、世界全体を危機に陥れました。この結果、各国は防衛モードに入り団結し、アメリカを自国への深刻な経済的脅威と見なすようになるでしょう。